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スイス企業2社、米国での上場で大成功

スイスのスポーツシューズメーカー、On(オン)グループの株は米ニューヨーク証券取引所での上場初日、予想を上回る価格で取引された On

近年で最も成功を収めたスイス企業2社がここ1週間のうちに米国株式市場に相次ぎ上場し、数億ドルの資金を調達した。

このコンテンツは 2021/09/17 11:30
swissinfo.ch

スイス出身のテニス界のスター、ロジャー・フェデラー選手も出資するスポーツシューズメーカーのOn(オン)グループ他のサイトへは15日、ニューヨーク証券取引所に上場した。上場時の時価総額は70億ドル(約7655億円)以上。取引初日に株価が高騰したため、終値では100億ドルを突破した。

前日には、スイスに本社を置く世界最大のスポーツ実況データ配信企業「スポートレーダー他のサイトへ」が米ナスダック市場に上場し、時価総額80億ドルの評価を得て、同社の歴史の新しい章を開いた。

両社には米国での新規株式公開(IPO)を決めるだけの十分な理由があった。米国では最近、スポーツベッティング(賭博)を合法化する道をつけるため、関連法を緩和する州が増えている。スポートレーダーはその波に乗った形だ。

スポートレーダーは、スポーツのゲームスコアなどのデータをメディアやスポーツベッティング企業に配信する同社の技術を生かして、急成長する米スポーツベッティング市場の約3分の1のシェア獲得を目指すという。

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中小企業向けコンサルティング会社タイガー・リンク・アドバイザーズ他のサイトへの創業者レティ・マクマナス氏はswissinfo.chに対し、「どの企業も、最終的には愛国心ではなく経営戦略の中で上場先を決める」と語った。

このことは、スイス生まれであることやフェデラー選手との提携を前面に押し出すオングループにも当てはまる。チューリヒに本社を置く同社がニューヨーク証券取引所への上場を選択したのは、米国が昨年、同社にとって最大の市場になり、売上高の伸びも最も大きかったからだ。

マクマナス氏は「米国は世界最大のスポーツウェア市場だ。米国で上場することで、広告やメディアへの露出機会が大幅に増え、消費者や投資家の間で認知されるようになる」上に、「ニューヨーク証券取引所には、ナイキやアディダスをはじめとする有名スポーツウェアブランドが上場している。だから、オングループが大手企業と同じプラットフォームに上場したいと考えたのは当然だ」と説明した。

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オングループの売上高はここ3年で3倍近く増え、20年には4億2530万フラン(約496億円)に達した。しかし、この金額は、1185億ドル規模の世界のスポーツシューズ市場を支配するナイキやアディダスといったマーケットリーダーと比べると見劣りする。

スポーツウェア業界は全体として新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響を受け、世界中で販売店を閉めた。しかし、英調査会社ユーロモニターは、スポーツシューズ市場は徐々に回復し、2024年には約1800億ドルの規模に達すると予測する。

オングループはナイキが歩んだ道をたどっているように見える。ナイキは1984年、「バスケットボールの神様」と呼ばれるマイケル・ジョーダン選手(現在は偶然にもスポートレーダーに出資している)とコラボレーションしたバスケットシューズを生み出し、大躍進した。フェデラー選手は2019年にオングループの出資者になり、自身の名を冠したテニスシューズのデザインに参加している。

ところで、スイス証券取引所では2010~20年の間に年平均5社弱が上場している。同所を運営するSIXグループは、「スパークス他のサイトへ」と呼ばれる新しい株式市場区分を導入し、新規上場数の改善を目指す。スイスに約60万社ある中小企業他のサイトへ(従業員250人未満)の一部に上場を促す狙いだ。

(英語からの翻訳・江藤真理)


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