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同性婚合法化を可決 スイス国民投票

首都ベルンで同性婚合法化案の可決を喜ぶ賛成派の人々 Keystone / Peter Schneider

スイス有権者は9月26日の国民投票で同性婚の合法化案を可決。貧富の格差是正に向けたキャピタルゲイン課税案「99%イニシアチブ」を否決した。

このコンテンツは 2021/09/26 16:42
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26日正午に投票は締め切られた。確報によると、同性婚合法化案(投票率52.6%)は賛成64.1%、全26州で賛成が反対を上回り、可決された。99%イニシアチブ(投票率52.2%)は反対64.9%、全州で反対が賛成を上回り、否決された。

同性婚合法化案が可決されたことで、民法典が改正され男性同士や女性同士の結婚が合法になる。今のところ同性カップルは「パートナーシップ制度」に登録するしかなかった。毎年約700組のカップルがこの制度で公認の関係を築いている。

パートナーシップに登録したカップルは多くの点で異性婚と同じ権利義務を持つ。同じ姓を名乗ったり、借家契約が切れた時に保護されたり、パートナーの死後に遺産や遺族年金の一部を受け取ったりできる。2018年からはパートナーの子供を養子縁組できるようになった。

平等か伝統か

では同性婚の合法化で何が変わるのか?同性愛カップルは共同で子供を養子に取れるようになる。これにより、パートナーの1人が外国人である場合、帰化手続きにかかる手間や時間、費用が少なくなる。

結婚した女性カップルがスイスで精子提供を受けられるようにもなる。スイスの法律では匿名の精子提供が禁止されており、子供は18歳で提供者の身元を知ることができる。2人の女性は子供が生まれた瞬間から2人とも母親として認識される。一方、海外の精子バンクを利用すると、母親として公式に認められるのは生みの母のみとなる。

多くの欧州諸国と同じように、代理出産や卵子提供は引き続き禁止される。男性カップルが代理母を使って子供を持つことは許されない。

賛成派にとって、同性婚合法化は全てのカップルを平等な立場にする意味がある。同性カップルを親に持つ子供はスイスに何千人もおり、彼らに手厚い法的保護を与えるべきだと主張する。

だが反対派にとっては、女性カップルに生殖医療補助への道を開くことこそ子供の福祉が犠牲になる。加えてこの社会における伝統的な結婚の形を守るべきだと唱えていた。

99%イニシアチブは否決

「賃金への負担軽減と資本への公平な課税」イニシアチブ(国民発議)、通称「99%イニシアチブ」は社会民主党青年部が発案したもので、富と所得の分配における格差を是正するのが狙い。一定額(提案では10万フラン=約1200万円)を超える資本所得は課税金額を1.5倍換算する。

推進派はこれが平等に向けた大きな一歩だと唱える。可決されれば税収は特に健康保険や保育、公共交通機関の運営費に充てられ、人口の圧倒的多数に利益をもたらす。

反対派は新税がスイスの経済と競争力を損ない、富の再分配の改善にはつながらないと主張。経済に予測できない悪影響が及ぶとも警告していた。

外国人参政権を与えるソロトゥルン州の住民投票は否決

この日は各地で州・自治体レベルの住民投票も実施された。外国人参政権を与えるソロトゥルン州の住民投票は、反対票73.2%で否決された。州内の自治体レベルの選挙・住民投票で非スイス国籍の住民にも投票権を与える案だった。社会民主党青年部から出されていたが、中道・右派政党が「外国人はまず国籍取得を目指すべきだ」として反対した。

スイスでは26州のうちバーゼル・シュタット準州やアッペンツェル・アウサーローデン準州、グラウビュンデン州など8州が永住権のある外国人に自治体レベルの投票・選挙に参政権を与えている。フランス語圏では州レベルの投票・選挙にも参加できる。

(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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