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全入国者にワクチンか陰性証明を義務付け スイスのコロナ情報

昨年12月下旬から今月13日までに行われた新型コロナウイルスのワクチン接種は合計で990万回。約53%が2回の接種を終えた Keystone / Michael Buholzer

スイスでは13日から、新型コロナウイルスのワクチン接種や陰性を証明する「COVID証明書」の提示義務範囲が拡大。20日からは移動手段や出発国を問わず、ワクチン未接種ならスイス入国時の陰性証明と4~7日後の再検査が必要になった。

このコンテンツは 2021/09/20 11:32

スイスは欧州で新型コロナウイルスの流行が最も深刻な国の1つ。2020年春の第1波、同秋の第2波、21年春の第3波に続き、デルタ株の感染拡大で第4波に見舞われている。

今月13日から、ワクチン接種や陰性、り患済みであることを証明する「COVID証明書」の提示を義務付ける範囲が拡大された。これまでのクラブやバーへの入店時だけでなく、レストランの屋内エリア、文化・レジャー施設、屋内イベントの利用時も義務となった。

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16歳未満は対象外。来年1月24日までの措置とするが、病院の状況が改善すれば、「早めに解除することができる」。連邦政府は声明で、証明書の提示により「施設の閉鎖や活動を禁止せずにウイルス拡大を止めることができる」と強調した。証明を携行すればマスク着用などの感染対策をとらなくても済むようになる。

コンサートや劇場、映画館、公共施設での結婚式などの屋内イベントも証明義務の対象。50人までの宗教礼拝や政治集会は対象外。屋外イベントはこれまで通り、1千人以上のイベントのみ証明書携行が義務付けられる。

17日には、秋休みを前に入国ルールも変更された。ワクチン未接種または未り患の人(16歳以上)は、9月20日から出発国・移動手段に関わらず入国時に陰性証明が必要で、4~7日後に再度検査(自己負担)を受けなければならない。これまでは空路入国者のみ義務付けられていた。

また越境労働者を除き、子供を含む入国者全員に入国フォームの記入を義務付ける。

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現在の感染対策

主な感染対策は、以下の通り。

  • ワクチン接種は義務付けられていない。ただしレストランの屋内部分、文化・スポーツ・レジャー施設、屋内イベントなどの利用時はワクチン接種や陰性、り患済みであることを証明する「COVID証明書」の提示が必要。州や大学は教育施設の利用において独自に証明書の提示を義務付けることができる
  • 交通公共機関や小売店など、証明書の提示が義務でない公共の屋内施設に入る場合はマスク着用が必要
  • 私的な集まりは屋内30人、屋外50人まで開催可
  • 屋外のマスク着用義務はなし。職場でも原則義務付けなし
  • レストランでは、各テーブルあたりの顧客数に制限はない。1グループあたり1人の連絡先を提出

連邦政府は緊急事態宣言の発令は見送っているため、各州は引き続き独自により厳しい措置を導入できる。また、政府は連邦工科大学などが開発した接触追跡アプリ「SwissCovid他のサイトへ」の利用を推奨している。

感染が疑われる人やその濃厚接触者は自主隔離や自宅待機他のサイトへが必要。検査(自己負担)で陰性が分かれば隔離期間は10日間から7日間に短縮される。外出は可能になるが、10日が経過するまではマスクの着用とソーシャルディスタンシング1.5メートルの対人距離)が義務付けられる。

セミロックダウンの段階的緩和

<4月19日の緩和>

・レストラン、カフェのテラス席営業

・観客を入れた文化・スポーツイベント再開。屋外は最大100人、屋内は同50人。着席制・マスク着用義務。座席は会場定員の3分の1に限定

・成人のアマチュアスポーツ、文化活動再開。グループの場合は15人まで。対人距離、マスク義務

・大学での対面授業再開(1グループ15人まで、マスク、対人距離)

<3月22日の緩和>

・屋内での集まりは最大10人

<3月1日の緩和>

・屋外での私的な集まりを現行の最大5人から15人に引き上げる。屋内では5人のまま

・図書館・公文書館の閲覧エリア、動物園、植物園の屋外エリア・アウトドアパーク、博物館の再開

・全ての小売店の営業を再開。ただし売場面積の広さに応じ、10~25平方メートル当たりの顧客数を1人とする。ショッピングセンター内全体の人数も制限

・屋外スポーツ施設(ゴルフ、テニス、サッカー場、陸上競技場、スケートリンク)の再開。ただし1グループ15人までとし、1.5メートルの対人距離が取れない場合はマスクの着用を義務付ける。身体的接触を伴うサッカー、ホッケー、格闘技などのスポーツは、大人は禁止

・スポーツ・文化活動の人数制限を除外する年齢を、16歳未満から20歳未満に引き上げ

・在宅勤務を義務付け(可能な職種の場合)

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20年12月22日~21年2月末の規制措置

  • レストランは全面営業停止。社員食堂、義務教育機関の食堂、ホテル客専用の食堂は営業可。テイクアウト、宅配も可

  • 1月18日からは生活必需品を除く小売・サービス店・市場も営業停止。事前に注文した商品の受け取りは可。キオスク、パン屋、ガソリンスタンド併設ショップ、薬局、眼鏡店、補聴器店、通信機器販売店、修理サービス、クリーニング店、理美容室、園芸店、花屋などは営業可

  • 営業可能な小売店やキオスク、ガソリンスタンドの夜間・日曜祝日の営業禁止は18日から撤廃。サービス業は午後7時以降と日・祝日営業禁止

  • スポーツ施設は全面閉鎖。屋外でのグループによるスポーツは、5人までとする。プロスポーツは無観客試合の実施は可能。満16歳未満の子供は対象外(競技会を除く)

  • 私的な集まりは5人まで(子供含む)。上限2世帯を強く推奨

  • 公共イベントは、葬式、宗教礼拝(最大50人)と議会、政治集会(同)を除き禁止

  • レジャー・文化施設(博物館、映画館、図書館、カジノ、植物園、動物園など)は閉鎖。少人数での文化活動、16歳未満の子供の場合は可能。観衆ありのイベントは引き続き禁止(オンラインは可能)
  • 可能な限り在宅勤務を義務付け。職場では同じ部屋内に2人以上いる場合はマスク着用義務

当初は感染状況が落ち着いている州はスポーツ施設、レストランに対する制限措置を緩和できたが、1月9日以降は全国一律のルールが適用されている。また1月22日までの措置としていたが、連邦政府は1月13日、2月末まで延長すると発表した。

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第2波に対する感染対策

連邦レベルでは2020年10月29日以降、レストラン・バーでは1テーブル4人まで(子供を除く)、午後11時~翌朝6時は営業禁止となった。ディスコやダンスホールは閉鎖された。

イベントは公私・屋内外を問わず50人までに制限。結婚式や葬式も対象だ。ただし連邦・地方議会や政治デモ、国民発議のための署名集めは開催できる。誕生日会など私的空間での家族・友人同士の集まりは10人に制限されている。

屋内でのスポーツや文化活動は15人に制限され、距離確保・マスク着用が必要になる。ただしテニスや大ホールなど、距離が確保できる場合は除く。屋外でも十分に距離をとる必要がある。身体接触を伴うスポーツは禁止。これらの措置は、16歳未満の子供は対象外。

スイスのケーブルカー事業者は12月1日、スキー場施設のチェアリフトや滑走式リフトなどを含む全てのスキーリフトでのマスク着用を即時に義務付けると発表した。これまでは密閉されたゴンドラリフトのみが対象だった。また、待合室などの閉ざされた空間だけでなく、外で行列を作るときにもマスクを着用しなければならない。

プロスポーツ・文化の試合やトレーニング・練習、公演は開催可能。合唱はアマチュアは禁止、プロの試演は可能。

11月2日からは高等教育機関の授業は遠隔となった。義務教育や後期中等教育(ギムナジウムや職業教育)は対面授業が続く。

10月19日に導入された公共の屋内施設でのマスク着用義務は、同29日から拡大された。▽商店やイベント会場、レストラン・バー、マーケットなどの屋外部分▽混雑し距離が確保できない歩道▽後期中等教育▽距離の確保できない職場――も対象に。12歳以下の子供や医療上の理由でマスクを着けられない人、レストラン・バーで着席した場合は免除される。

政府は2020年秋以降の第2波に対しては厳しいロックダウンは行わず、経済と衛生対策を両立させる方針を取ってきた。ただ変異株による第3波が警戒され、1月13日に感染対策の抜本的な強化を発表した。

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スイスへの入国

現在、スイスにはシェンゲン域内から入国可能。シェンゲン域外の第三国で移民局が指定する「高リスク国」他のサイトへに含まれていない国からも入国可能。

21年6月21日以降、日本が「高リスク国」から除外され、日本から観光など短期滞在目的でのスイス入国が可能になった。ただし日本の外務省は、スイス全土への渡航中止を勧告他のサイトへしている。

空路での入国者は、ワクチン接種または過去6カ月に感染した証明がなければ陰性証明が必要(16歳未満は免除)。PCR検査はスイス入国前72時間以内、抗原検査は48時間以内。

9月20日以降は入国手段にかかわらず、ワクチン未接種なら陰性証明かり患済み証明が必要になり、入国後4~7日後に自己負担で検査を受け結果を滞在州に報告しなければならない。

ワクチンはファイザー・ビオンテック製、モデルナ製、アストラゼネカ製、ヤンセン(ジョンソン・アンド・ジョンソン)製などが有効。氏名と誕生日、接種日、メーカーの記載された証明書であれば、スイス政府公認の証明書でなくてもよい。

9月20日以降、ワクチンや陰性証明の有無にかかわらず、入国前にオンラインで入国フォーム他のサイトへへの記入が必要。記入後に発効されるQRコードを入国時・滞在中にPCやスマートフォンで携行しなければならない。子供も対象で、違反者は100フランの罰金が科される。

保健庁は、「懸念される変異株の流行国他のサイトへ」からの入国者でワクチン未接種の人にに隔離を義務付けていた。しかし新たな変異株の登場に迅速に対応できないことから、出発国に関わらずワクチンや陰性証明を求めることにした。

どの国からどんな条件で入国できるか、保健庁のサイトTravelcheck他のサイトへで確認できる。またスイス外務省のページ(日本語)他のサイトへでも解説している。

スイスから日本への入国

日本外務省はスイス又はリヒテンシュタインから日本へ帰国する日本人について、21年1月1日以降、出国前72時間以内の新型コロナウイルス検査証明の提出を義務付けている。ワクチン接種済みの人も対象。スイスで実施される抗原簡易検査で「quantitative antigen  test (CLEIA)」の記載がないものは、有効ではない検査とみなされる。厚生労働省指定のフォーマット他のサイトへに検査結果を記載するか、CLEIAの文言を検査機関の証明書に明記してもらう。

また入国時にも検査が必要で、陰性だった場合、入国の翌日から14日間は自宅等で待機が必要。3月5日~7月17日は、日本入国後3日間は検疫所長の指定する場所で待機し、入国3日目に改めて検査を受ける必要があった。自宅待機はワクチン接種済みでも免除されない。

日本への帰国や入国に際して必要な書類の詳細は在スイス日本大使館のページへ他のサイトへ

その他日本の水際対策全般については外務省のサイト他のサイトへへ。

ワクチン

スイスでは20年末から順次新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まった。21年2月1日からは、薬局で接種する場合も予防接種センターと同様に国が費用を負担している。ファイザー・ビオンテック製、モデルナ製が承認済みで、接種が進んでいる。ともに12歳以上が接種できる。

アストラゼネカ製ワクチンも供給予約済みだが、審査が続いている。ジョンソン・エンド・ジョンソン製は承認済みだが、スイスは同ワクチンを購入していない。

スイスの1日当たりのワクチン接種回数は6万~7万回。

ワクチンを2回接種した人にはCOVID証明他のサイトへが発効される。9月20日からは、欧州医薬品庁(EMA)の承認するワクチンを接種していれば、スイス国外からも同証明書を取得できるようになった。EU加盟国への入国には通用する。日本の入国には通用しない。

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検査

スイスでは①症状がある②接触追跡アプリ「SwissCovid」で接触通知を受けた③州当局または医師から検査を受けるよう指示された―場合に無料でPCR検査を受けられる。旅行に必要な陰性証明のための検査は自己負担。プール式のPCR検査は職場やキャンプなどの組織された検査であれば無料。検査センター、かかりつけ医、病院、薬局で受けられる。

抗原検査は10月1日から有料。健康上の理由でワクチンを受けられない人や16歳未満の青少年、医療・介護施設の訪問者は引き続き無料で受けられる。スイスの医療保険加入者で、ワクチン未接種またはコロナにり患したことがない人は、薬局でひと月当たり5回分の自己検査キットを無料でもらえる。

職場、学校での検査も定期化。頻繁に検査を行う企業の従業員は、陽性者と接触した場合の自己隔離を免除される。

経済支援

連邦議会は20年9月、企業などへの経済補償の根拠法となるCOVID-19法を可決した。労働時間の減った従業員への賃金を補償する操業短縮制度や、イベント制限などで間接的に影響を受けた事業者・自営業者への補償が柱だ。

詳しくは、日本貿易振興機構(JETRO)のページ(日本語)他のサイトへへ。

スイス政府などの公式情報

スイス連邦内務省保健庁他のサイトへ:最新の感染件数、予防策、公共安全策など政府の公式発表を掲載。

世界保健機関(WHO)他のサイトへ:新型コロナウイルスによる新型肺炎や渡航上の注意点を紹介。

スイス連邦移民局他のサイトへ:スイスへの入国制限・ビザ関連の情報をQ&A形式でまとめている(英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語)。

ジョンズ・ホプキンズ大学他のサイトへ:世界各国の感染報告数と死者数をまとめている。ただしタイムラグや「感染」の認定方法の違いから、swissinfo.chが伝える数字と異なる場合がある。

オンライン診療他のサイトへ:スイス在住者を対象に、オンラインで診察・処方箋の発行を行っている(仏語、独語、または英語で対応)。初診から受け入れられ、診療費は39フラン。健康保険払い戻しの対象となる。

スイス郵便他のサイトへ:国際郵便サービスを縮小しているが、日本への手紙・小包の受付は再開(優先便のみ)。日本郵便は2020年6月5日から、スイスへの航空郵便物の取り扱いを再開しているが、SAL便は停止中。

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