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同性婚合法化と富裕層増税を国民投票で問う

同性婚賛成派 「合法化は平等への大きな一歩」

同性婚合法化案「全ての人に結婚の自由を」の賛成キャンペーン・ディレクターを務めるオルガ・バラノヴァさんは、賛成票を投じることで同性カップルがより保護されるようになると考えている Keystone / Martial Trezzini

スイスでは同性婚を合法化する法改正案「全ての人に結婚の自由を」を巡り、7年間にわたる長い議会の議論を経て9月26日、国民投票で有権者に最終判断が委ねられる。賛成運動を指揮するオルガ・バラノヴァさんは、この法改正で「根拠のない差別に終止符を打つ」ことが重要だと考えている。

このコンテンツは 2021/08/20 10:00

スイスでは同性婚の合法化に時間がかかっている。合法化のための民法典改正案は、2013年に中道勢力の自由緑の党から提案された。複数の修正案を議論した後、連邦議会は昨年12月、最終案を可決した。スイスの現行法下では、同性カップルは「パートナーシップ制度」に登録できるが、これは婚姻と同じ権利を保証するものではない。

婚姻を誰に認めるかは憲法に書かれていないので、憲法改正の必要はない。このため自動的に国民投票にかけ有権者と州の過半数の賛成を得る義務もない。それでも今回国民投票が実施されるのは、保守右派系のスイス国民党とスイス民主同盟が中心になって法改正に反対するレファレンダムを提起したためだ。同性婚反対派は、同性婚が認められれば、「社会的・政治的な亀裂を生じ、男性と女性の間に築かれる永続的な関係としての婚姻の歴史的な定義を覆す」と主張する。

同性婚の合法化に関して、スイスは欧州諸国の中でも後れを取っている。バラノヴァさんは、同性のパートナーや、国内に多く存在する同性カップルにも平等な権利を与える時期に来ている、と考える。

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swissinfo.ch:同性婚合法化はLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)コミュニティーにとってどのような意味を持つのでしょうか?

バラノヴァ:平等への大きな一歩を意味します。全ての人に法律上の婚姻が認められることは、LGBTの人たちがすでに社会的に受け入れられていると認める、象徴的な意味もあります。同時に、同性カップルが異性カップルと同じように法律で保護され、権利を持つことが認められるということです。今日、全ての人に法律上の婚姻が認められていないのは、全く根拠のない差別なのです。

swissinfo.ch:「パートナーシップ制度」により、レズビアンやゲイのカップルはすでに、共通の名前を選択したり、パートナーの遺産や老齢年金の一部を受け取ったりできるなど、婚姻と同等の一定の権利が与えられています。では婚姻で実際に何が変わるのでしょうか?

パラノヴァ:具体的には、同性のスイス人とカップルにある外国人パートナーが、異性婚の場合と同様に、より迅速で費用のかからないスイス国籍取得手続きができるようになります。また、女性同士のカップルは生殖補助医療を受けられるようにもなる。スイスで公認の精子バンクを利用すれば、子供が生まれた時点で女性は2人とも母親として認められます。

「LGBT団体は、特にヘイトクライムとの戦いを続けていきます」

オルガ・バラノヴァ、「全ての人に結婚の自由を」委員会委員長

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swissinfo.ch:その点がまさに同性婚反対派から批判されています。レズビアンカップルが生殖補助医療を利用できるようになれば、子供が自分の出自を知る権利を侵害することになり、子供の福祉が考慮されないと主張しています。

パラノヴァ:その主張は矛盾しています。同性婚合法化で女性カップルは生殖補助医療を受けられるようになりますが、スイスの法律は非常に明確で、子供が18歳になれば精子提供者が誰なのかを知ることができます。女性カップルは、生殖補助医療を受けるのに国の許可を待っていたわけではありません。スイスと違って匿名の精子提供を認めている国もありますから、彼女たちはすでに国外で生殖補助医療を受けているのです。ですから、子供の権利を侵しているのはむしろ、今の状況だと思います。

swissinfo.ch:反対派は、同性婚を認めれば男性カップルに代理出産の道を開くと主張していますが。

パラノヴァ:全く違います。反対派はこの法律に含みがあるように見せようとしていますが、そうではありません。スイスでは、代理出産は誰にでも禁止されています。忘れてならないのは、そもそも代理出産はLGBTの問題ではないということです。代理出産を求めて国外に行くカップルは、圧倒的に異性カップルが多いのです。ですから、もともとLGBTに関係ないことにLGBTコミュニティーを巻き込むべきではありません。

swissinfo.ch:議会審議では、一部の議員は憲法改正が必要になると考えていました。この法案で想定されている民法典の改正だけで社会の変化をもたらすことはできるのでしょうか?

パラノヴァ:大きな社会的変化は、憲法に起因するとは限りません。7年間という長い議会審議の中で諮問を受けた専門家の大多数は、連邦憲法は「全ての人に対する結婚の自由」を排除するものではないと判断しています。

swissinfo.ch:同性婚が認められれば、同性愛者は平等を勝ち取ったと言えますか?それとも他の要求が出てくるのでしょうか?

パラノヴァ:女性や、社会の中で不利な立場に置かれている人たちの場合と同様に、権利の主張は常にあるでしょう。今後もLGBT団体は、特にヘイトクライム(憎悪犯罪)との戦いを続けていきます。全ての人に結婚の自由が認められても、全てが解決するわけではないのです。例えば、友人に精子提供を依頼した女性カップルには、絶対的な平等が与えられるわけではありません。生物学上の母親のみが子供の母親と認められるからです。このような議論を今後も続ける必要がありますし、LGBTコミュニティーは平等を求めて戦い続けます。

ジェラール・ぺラさんは同性婚合法化に反対する1人だ。その理由をインタビュー記事で語る。

(仏語からの翻訳・由比かおり)


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